月城まりあの手記

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ちいさなおはなし。

とても久しぶりに、非公式SSです。
そもそもblog自体書くのが久しぶり。今日に限って珍しく早くお仕事が終わったんですよ。 (昨日の棚卸し、とても大変でした。その分今日は早かったみたいです。)

で、折角のチャンスなのでそれまで温めていたあらすじをSSにしてみることにしました。
レン(c00692)と、一人の女の子(c16487)のお話。
ささやかなお話ですが、楽しんで頂ければ幸いです。


……そうそう、ちょっと脱線お知らせ。
近いうちに、銀雨【非公式SS】のカテゴリのSSに、挿絵が付く予定です。
描いてくれたMouさんに感謝★


では、追記よりSSをお楽しみ下さい。
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 アクスヘイムでもエルフヘイムでもレンの仕事は同じ運び屋だ。地理を覚えるのが早い彼にとって、常時需要の絶えない運び屋は適職なのだろう。朝早くから夕食の直前まで、いつも都市の上を自在に駆け回っている。
 今日も一日の荷物を一頻り運び終えたレンは、夜闇に沈む家々の上を旅団へ向かって駆けていた。仕事を終えたらまず旅団へ向かって顔を見せ、その後時間に余裕があれば恋人のもとを訪ねる、というのが此処最近の彼の生活サイクルだった。
 ふと、その途中でレンは木の太い幹を蹴って方向を変えた。急降下する彼の下には小さな背丈の黒っぽい人影がひとつ、あっちへうろうろ、こっちへうろうろと動いている。
「どうかしたのか? こんな時刻に一人で居ると危ないぞ」
 乾いた足音を立てながら着地したレンは、その人影へと声をかけた。応じて振り向いた人影の正体は、紫の瞳の幼い少女。ころんとしたつぶらな双眸がまっすぐにレンを見上げ、ふわふわした綺麗なさくら色の髪がすっぽりと頭を覆うローブのフードから少しだけ覗く。

みーしゃ(byMou)

「……みーしゃ、まいごになっちゃったの」
レンの姿を見て安心したのか、少女は見る間に泣き出してしまった。小さな手で顔をぬぐいながらしゃくりあげるその姿は、まだほんの6歳かその辺りのようだ。
 レンは一瞬驚いたようだったがすぐに表情を和らげると立膝を突き、少女と目線を合わせて頭を撫でてやった。無理に泣き止ませること無く、そうして暫くの後徐々に少女が落ち着きだした頃に改めて口を開いた。
「家はどの辺りかわかるか? そこまで私が送っていこう。もう大丈夫だから、泣かないで」
「ぐすん……あう、ありがとうおにいちゃん。あのね、みーしゃのおうちはね……」
 少女が精一杯の身振り手振りで話す場所に、レンは覚えがあった。確か先日食材を運んだ旅人の酒場宿だ。人の良いエルフの夫婦が営んでいる、それ程大きくは無いが温かみのある店だったと記憶している。
「よし、では貴女の泊まっている宿まで送っていこう。確りつかまっているんだぞ」
「うん!」
 大きく縦に首を振って、少女が頷いた。レンはもう一度彼女の頭を撫でてやってから背に負い、勢い良く地を蹴った。

          *          *

 果たして宿では少女を探す両親とエルフの夫婦達でちょっとした騒ぎになっていた。無事に少女を送り届けたレンに、少女の母は深々と頭を下げた。彼女は確か、昼間に宿のホールで歌を披露していた魔曲使いだった。隣に立っている父親は、身なりから察するに群竜士だろうか。
「本当にありがとうございました。ほら、ミーシャもちゃんとお礼を」
「うん! ありがとう、おにいちゃん!」
 母親に促され、少女はフードを取ると勢い良くお辞儀をし、それから満面の笑みを湛えてレンを見上げた。
「みーしゃ、すっごくうれしかったの。こんどまた、いっしょにあそんでね!」
「こらっ、ミーシャ!? だめよ、運び屋さんはただでさえ忙しいんだから……」
「えへへへ♪」
 慌てて軽く頭を小突こうとする母の手をするりと抜けて、ミーシャと呼ばれた少女は父の影へと隠れた。そんな一家の様子が微笑ましく思えて、ふとレンの表情が和らいだ。
(家族か……良いものだな。)
 温かな談笑が絶え皆が店内へと戻った後、レンもその場を後にして恋人のもとへと急いだ。

 それから、数日後の昼下がりのこと……。
「あっ、おにいちゃん!」
 聞き覚えのある少女の声に、レンは跳躍の方向を急転換して手近な屋根に降り立った。
「えへへ、またあったね。おにいちゃん!」
 声の主は比較的すぐに見つかった。あの酒場宿から近い、少しひらけた広場にいた。少女は小さな手をおおきく振り、さらに今度はフードを脱いでいたため、さくら色の豊かな髪が日差しを浴びてきらきらと波打つのが遠目にも良く見えた。
「こんにちは。確か貴女は、ミーシャと言っただろうか」
「うん、みーしゃはみーしゃ。アルテミーシア・サンローランよ。みーしゃってよんでね」
 ミーシャは、にっこり微笑むとまっすぐに手を突き出した。レンも自然と応じて軽く握り返し、握手をする。
 するとミーシャは、ぽふん、とレンの足に抱きついた。
「えへへ、エルフヘイムでのはじめてのおともだち、でーきた♪」
「そうか、それは光栄だ……よろしくな、ミーシャ。」
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Comments 2

ユウキ  
素敵です!

HNコロコロしててスミマセン←

なんてほんわかする感じのSSなんでしょうwww
まりあさんの文才がとても羨ましいです。
ちょいちょいウチの子の影が出ててとっても嬉しかったです!

また今度次作ができたら、必ず読みます!

2010/10/06 (Wed) 10:02 | EDIT | REPLY |   
月城まりあ  
Re: 素敵です!

お返事ものすっごい遅れてごめんなさい!!
コメントありがとうございましたー!

Σいえいえ、文才なんて無いですよ。
思いつくままを書き連ねているだけですってorz

エイルさんとレンのお話、書いてみたいです!!
みたいですが、仕事がこの先繁忙期なのと私の文才が大変乏しく時間が…(中略)…なので、気長にお待ち下さい(汗)

ではでは、またお会いしましょう~♪

2010/10/30 (Sat) 11:22 | EDIT | REPLY |   

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ゲーマー&ドールオーナーの、日記のようなblogです。たわいもないことをつづっています。
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ボークス製球体関節人形「スーパードルフィー(Super Dollfie)」が好きな初心者ドールオーナー。他社・海外ドールも興味はあるけれどまだまだ無知で恐縮です。
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